2010年9月1日水曜日

酔芙蓉(すいふよう)


   高橋 治 著  「 風の 盆恋歌 」

   この本は 究極の [  夢幻 ]  の 恋物語。

   その象徴としての ” 酔芙蓉 ”


   花は 朝のうちは 白く、昼下がりより 酔い始めたかのように

   色がつき、夕暮れには すっかり 紅 と なる。

   酔った挙句に 散る、 一日限りの 命花。


   舞台は 坂の町、水の町 富山 八尾町。

   九月一日から 三日間の ” 風の盆 ”

   独特な音色の 胡弓が加わり、越中おわら節を のびやかに

   歌い 舞う  祭り。

   男女とも 編笠で 顔を隠し、しめやかに、密やかに 舞う。


   長い間 憧れていた” 風の盆 “ 見物ができたのは 二年前。

   八尾など 知りもしないのに 懐かしさと 期待で 胸が弾む。

   まずは 野外演舞場で おわらを見物後、ぼんぼりの 光の町へ。

   町なかの 輪踊りを 駆け巡って、見物する。

   お宮の境内での 男女二人の 洗練された 墨絵 のような舞を

   下から 見上げ、次は 急こう配の 石段に座り、はるか下の

   輪踊りを 眺める。

   すっかり 胡弓の音色に 魅了され 、静かで 雅な 踊りに 

   酔いしれた、今も 忘れられない 一夜と なった。

16 件のコメント:

  1. たったⅠ日が 花の一生 
    それでも 衣装を替えながら
    精一杯 舞う 限りある命花

    湖のお祭り 九州に縁があるのですね。

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  2. 酔芙蓉とはうまい名前をつけたものですよね。11時ころでもピンクがかったものがありますから、朝から飲み始めるのでしょうね。
    八尾を知ったのは和久峻三の赤かぶ検事シリーズ「越中おわら風の盆殺人事件」でした。風情があるお祭りのようですね。

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  3. こんにちは。
    タイムリーなアップですね。
    今日から八尾の『風の盆』ですものね。
    エンナカの水の音と哀愁を帯びた胡弓の音色、今思い出しても胸に迫ってきます。
    街流しに付いて歩いた記憶は昨日の事の様です。
    打ち水をした門口に酔芙蓉の鉢が置いてあるんじゃないかと思わず探してしまいましたよ。
    『風の盆』の八尾の町に足を踏み入れると、幻想的で小説の世界がそのまま現実にあるのでは?
    と、錯覚してしまうほどでした。
    数年前には「酔芙蓉」と題して私が詞を書き、友人がそれに曲を付けてくれました。
    懐かしい思い出です。

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  4. ぶらり爺さん
    コメントありがとうございます。
    たった一日でも 自分の思う通り
    望むとおりに 見事に咲ききる
    ”酔芙蓉”は 花冥利に尽きますね。
    これほど 美しいのですもの。

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  5. 長さん
    コメントありがとうございます。
    ”風の盆”は 石川さゆりの「風の盆恋歌」で
    有名になりました。
    赤かぶ検事シリーズにもあったのですね。
    小説にしても 映像にしても 絵になる
    風情ある 素敵な祭りです。

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  6. kako狸さん
    コメントありがとうございます。
    >幻想的で 小説の世界が そのまま現実・・・
    と思わせる ”風の盆”八尾でしたね。
    同じ想いで 嬉しいです。
    男性と一緒なら ムード満点(たとえ ダンナでも)
    だったでしょうね。残念ながら、妹と同行でした。
    kako狸さんの 「酔芙蓉」の 歌詞
    ぜひとも 拝見したいです。

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  7. こんばんは。
    「酔芙蓉」はほんのりと頬染めた湯上り美人にも見えますね。いや、少し妖艶に頬染めた酔い美人の方がいいかな?いや、いや両方ともいい。(笑)
    ところで、何方かのコメントではありませんが、今日はタイムリーなUPですね。
    夕食を摂っている時に、丁度TVで「風の盆」が今日から始まったと報道してました。あぁ、そうかと思いながら、こちらへお邪魔をしましたら、こちらでも「風の盆」が始まっておりました。(笑)
    庵主も「風の盆」にからませた「酔芙蓉」の記事を以前UPしたことを思い出しました。有難うございます。

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  8. 庵主さま
    コメントありがとうございます。
    ええ、皆さまのおっしゃるとおり、
    タイムリーなUPでしょう。
    この暑い中 9月1日にと 大事に
    懐で 温めていましたの。
    お陰で 汗ビッショリ。
    冗談はさておき、”酔芙蓉”の
    謎めいた美しさは
    私達を 夢・まぼろしの世界へと 
    誘ってくれます。
    花の持つ魔力を 思い知らされます。

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  9. 続 庵主さま
    今 ”酔芙蓉”の記事を拝見しました。
    2007年9月30日「酔芙蓉」です。
    ここでは 花の変化が 画像に 見事に表現
    されているので 皆さんに見て戴きたいですね。
    心臓血管の手術をなさった由、驚きました。
    どうぞ くれぐれもご自愛くださいませね。 

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  10. エッ! 
    わざわざ“酔芙蓉”の記事を探して見て頂いたのですか?有難うございます。恐縮してますが、嬉しいですね。(笑)
    今年の庭の酔芙蓉はまだまだ蕾の状態ですが、いっぱい付けていますので今月末あたりには開花するでしょう。また記事をUPしてみたいですね。
    “一病息災”ですね。病気して好かったと今では思っています。山登りは制約されて残念ですが。(笑)
    ついつい、嬉しくなってコメント添えてしまいました。(笑)

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  11. 初めまして!タイムリーな記事、流れるような文章に「のうのう日記」のファンになりました。度々訪問させて頂きます。

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  12. 信徳さん
    早速のご訪問 ありがとうございます。
    私の 一方的なお願いごとでしたのに
    気持ちよくご了承してくださり、おまけに
    コメント投稿と ご配慮戴きまして
    感謝いたします。
    今後とも よろしくお願いいたします。

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  13. こんばんは 独身時代 富山におりました。
    ”風の盆”懐かしいです。坂の町 ”八尾に哀切な抑揚のある音色が 一晩中 流れます。
    編み笠を頭に載せ 舞い続ける女性の踊り子 色々想像いたします。
    酔芙蓉はまさにこのよるの景色にぴったりです。

     越中おわら節 覚えることなく 富山を去っています。

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  14. shuuterさん
    お帰りなさい。
    立山連邦に登った時、富山でゆっくりしました。
    海の幸、山の幸がたっぷり、お酒も
    美味しかったです。
    八尾は 橋を挟んで、向こう岸というか、
    独特な地形で。昔はさぞや、寂しい町
    だったでしょうね。
    そう想うと ”越中おわら節”の哀切な
    メロディが 胸に こたえます。

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  15. 初めてコメントさせて頂きます。

    >花は 朝のうちは 白く、昼下がりより 酔い始めたかのように 色がつき、夕暮れには すっかり 紅 と なる。
    酔った挙句に 散る、 一日限りの 命花。

    たかようじさんの文章から、酔芙蓉の姿がくっきりと目に浮かびます。
    爽やかで、切なく、色っぽく、そして儚く・・ほんとに魅惑の花ですね。
    白い花と前の日に花を終え紅を結んだ花殻が共に枝にある情景が好きです。

    いつも素敵なコメントをありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。

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  16. ひとえさん
    ひとえさんの 女性らしい 細やかな
    感受性の鋭い 文章を このコメント欄で
    拝見できるのは 望外の 喜びです。
    どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。

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