2011年4月27日水曜日

アネモネ






  キンポウゲ科    イチリンソウ属
  原産地     南ヨーロッパ地中海沿岸
  ギリシャ神話に 美青年アドニスが 流した血より、 この花が
  生まれたとの 神話あり。
  語源は ギリシャ語で 「 風 」 を 意味する 「anemos 」からと
  され、 英国では 風の花 = wind flower と 呼ばれる。
  風に吹かれて 飛び散る 花びらや、 綿毛のある 種子からも
  風と 深い 結びつきが うかがえる。

 
 アネモネは [ 大正ロマン ] そのものの  花だ。 
  大正浪漫を 代表する 画家、 竹久夢二の 独特な美意識の
  夢二式美人、 たまき  彦乃  お葉   の あの 大きな、
  黒い瞳。  寂しげで ありながら、 ひたむきさを秘めた 瞳。

  アネモネは   触れると、 ハラリと  散って  しまいそうな
  危うげで  儚い  美しさの 花。
  色鮮やかで 野生的な 魅力に 富みながら、 実に 華やかな
  都会的な 感覚の  持ち主。
  この 矛盾に 満ちている アネモネは、 静かな 情熱の花。
  人は  これからも  この花に  魅了され続けることだろう。


  
[ 雑記 ]   00年 3月、 真っ黄色の 菜の花と、 紫色の
          アネモネの  可愛い ブーケが  届きました。
          雑誌フィガロに 載っていたので、 注文してと。
          フフフ、  誰からの プレゼントだったでしょうか。

   ( 写真は 長さんのデジファイル  花色々トップ  より )
      
http://www7b.biglobe.ne.jp/~chosan/index.html

2011年4月20日水曜日

蔓日日草(つるにちにちそう)

                  ( 写真は 季節の花 300より )


キョウチクトウ科   ツルニチニチソウ属   地中海沿岸 原産

別名  ツルギキョウ    ビンカ


” 蔓日日草 ” は 蔓状に伸びた 茎の 途中から 根を下ろし、

地面を  這うように  広がっていく  性質を 持つ。

春になると 花茎だけ 立ち上がり、 青紫色の 5弁の 美しい

花を 咲かせる。 花の 中心には やや 白っぽい くっきりした

5角形の 溝があり、 アクセントに なっていて   この花に

爽やかな、 キリリとした  印象を 与える。

いま時分 公園など いたるところで 野生化した”蔓日日草”が

清々しい 色気を  漂わせている。


ツルニチニチソウの  ちょっと ねじれた プロペラのような 花を

見ていると、 フウッ~と  息を 吹きかけたり、  茎を 折って

手に取り、  走ってみたくなる。

そう、  風を  送りたくなるのだ。

風を うけた 花びらが、 今にも  ”風車(ふうしゃ)”や、 ”水車

(すいしゃ)” の ように、 クルクルと  廻り出しそうなんだもの。

素人目には きんぽうげ科の 「カザグルマ」 より、 こちらの方が

「 風 車 」 の 名に  相応しい気が するのだが・ ・ ・ 。


ヨーロッパでは 常緑で 冬の間も 枯れないので、、不死の力や

魔力を 持っていると 信じられていたらしいが、 どう 贔屓目に

見ても、  神秘的な 花には  見えない。


ただ、 この 青紫の花は  人に、 懐かしい、 優しい  想いを 

与えてくれる。 





 

2011年4月13日水曜日

桜  妹背(いもせ)



                  ( 妹 背   造幣局HP より )




今年は 4月14日~20日、 造幣局の 「 桜の 通り抜け 」 が


催される。 


南門から北門までの 一方通行の 560mの 延々と続く 桜並木。


125品種 約370本で  大半が  遅咲きの 八重桜であり、


浪速の 春の 風物詩と なっている。(今年は ライトアップ中止)






今年の花は ” 妹背 ”。 花は 濃淡になった 紅色で、  時には


一つの花に 実が二つ 対になって つくことから が、 名の由来。






夕暮れの空に 広がる 桜は 艶めいて、 妖しいまでに 美しい。


しかし ここでは あまりの人出に、想いに 浸ることは、 無理だ。


通り抜けの桜は、ぼんぼりの ライトアップに 輝いているに 限る。


春の夜空に 浮かび上がる 八重桜の  豪華絢爛たる  花姿。


雅なる 紅色の  大きな 八重桜   [ 大 手 毬 ]


淡紅色の  八重の  可憐な   [ 小 手 毬 ] 


養老桜、  天の川、  楊貴妃、  有明、  雨宿り ・ ・ ・ ・  


ある花は 頭上高く、 ある花は すぐ手元に、 右に、 左に ・ ・ 


すさまじい人、人、人から、溜息とも 歓声ともつかぬ どよめきが


あがる。  暗闇ゆえに  人の顔は  定かではない。


桜の 醸し出す  「 夢 幻 」 の世界に酔いしれて、 フラフラと 


漂い歩く。


通り抜けると、 どっと  疲労感が  押し寄せる。


桜の精に  エネルギーを  吸い取られたのだろうか。


そう思いつつ、 又 あの高揚感を  味わいたいと 出かける。


それゆえ   桜は   いよいよ  華やぐのだろう。


 


2011年4月7日木曜日

金盞花(キンセンカ)


                   (写真は 季節の花 300 より )

 ” 金盞花 ”と 言うと、  ひと昔前の  仏さまの お花 の

  イメージを 持つのは 私だけであろうか。

  派手な オレンジ色、 黄色の花で ありながら、少々野暮ったい

  と 思っていた。

  だが、 この”金盞花”に 華やかな 履歴書が あることを知り、

  早速、 ご披露に 及んだ 次第である。


  キク科   カレンデュラ(  Calendula ) 属

  カレンデュラは  ラテン語の 「 Calendae (毎月の 第1日)」

  が 語源。 どの月の 初めにも 咲いているほどに、 花期が

  長いことからで、 [ カレンダー ]の 語源でもある。



  「 キンセンカの ふるさとは 南ヨーロッパや、レバノン。

  ギリシャや ローマ時代から 知られた花で 神話にも顔を出す。

  太陽の神アポロに 憧れた少年が、 それをねたんだ雲の神に

  よって 太陽が 八日間 隠されたのを 嘆き、死んでしまった。

  アポロが これを 哀れんで キンセンカに 変えたという。

  花言葉は それに 因んで ” 悲嘆 ”

  確かに キンセンカの 頭状花は 小さな太陽を 連想させる。

  シェークスピアは  [冬物語] の中で 「お日さまと一緒に寝て

  お日さまと一緒に 涙して起きる 花」 と 露にぬれて 朝から

  太陽とともに 輝く キンセンカを たとえた。

  中世の ヨーロッパでは キンセンカは ハーブと 呼ばれる

  野菜であり、  薬でもあった。 」

   ( 以上  湯浅浩史氏の 「 花の 履歴書 」より 抜粋 )



  素敵な花物語を持つ ”金盞花 ” じっくり 愛でてみませんか。