2011年6月30日木曜日

露草(つゆくさ)



                  ( 植物園に ようこそ より )


ツユクサ科   ツユクサ属   原産地   日本など東アジア

茂り始めると 茎を 長くのばし、 茎の 節々から 根を出し、

どこまでも 伸びていく ” 露 草 ”

あまりの 繁殖力に 驚かされ、 引き抜きたくなるが、

あの 透明感のある 瑠璃色の花に であうと、 つい 放任。

青い花のなかでも 一際 めだつ、 造形の妙に あふれた

美しさに  心 奪われる。





つぼみは 二つ折りになった 網笠のような 苞葉の中に 数個

あり、 1個ずつ  順に 開く。 その様子が 帽子をかぶった

ように 見えることから、 別名 ” ボウシバナ ”

”ツキクサ” とは この花で布を青く刷り染めたことに由来する。

染めた色は 「 露草色 」。 淡いブルーの 「 はなだ色 」 もだ。

現在 友禅の下絵書きは 変種の大帽子花が 使われている。





露草の 花びらは 丸く、 大きく、 耳を ピンとたてており、

2本のシベが  おいで、おいでと  手招きする。

残りのシベは 鮮やかな黄色の衣をまとい、この花の 魅力的な

アクセントと なっている。 「 この奥に 甘い蜜があるんだよ 」

と  虫たちを 誘っているかのようだ。





花は 早朝に開き、 午後には閉じる。

ツユクサの ユニークサは  午後にある。

花弁の中は ドロドロに溶け、 成分は吸収されて 次の花へ

回される。 リサイクルの 花である。

         ( 湯浅浩史 「花おりおり」 より )





外見の愛らしさと 本性のたくましさと これほど違う花も珍しい。

” 露 草 ” は 独立心の強い、 才気あふれた 花である。









2011年6月19日日曜日

紫陽花(あじさい)

                       ( maechan  より )
  アジサイ科  アジサイ属  原種は 日本原産の ガクアジサイ
  別名は   「 七 変 化 」   「 八 仙 花 」
  六月は  あじさいの 季節。
  雨に濡れながら、美しく咲く 紫陽花の花は  梅雨の 風物詩。
  この花の咲いている周りだけ、 仄かに 明るく、静かながらも
  華やいだ 空気が 漂う。
  目にも鮮やかな濃い藍、 浅い藍、 儚げな水浅葱、 純白・ ・
  どの色合いも  心を 透明にしてくれる。


  四つの花びらが 寄り添うように 咲く姿を 手毬花として
  愛らしいと 想う人、
  花が 開きはじめてから、 微妙に 色合いが変化するのを
  移り気と 嫌う人、  さまざま。
  私は  清楚な趣の ” 額 紫 陽 花 “ が  好き。 


  ガクアジサイの 小さな花は 初めは 固い ツンツン つぼみ。
  ” 愛いやつだ”と ちょっかいかけても 知らん顔、 無口だ。
  やがて ヒソヒソ話するように 一つずつ 花が そっと開いて
  いく。  中から シベが ちょこんと のぞいている。
  そのうち、 パキッとした 五弁の花びらの真ん中から、シベが
  得意満面の 笑みを 浮かべて 伸びあがってくる。
  花たちが パチパチ 弾けるように、 そう、  あっという間に
  ペチャクチャ おしゃべりな 女の子の集団に 変身するのだ。


  大らかで優美な 装飾花に 守られるように、 小さな 可憐な
  花の軍団が 咲き誇り、 美しい ”額紫陽花”の 出来あがり。
  


  

2011年6月9日木曜日

ドクダミ

                     ( 植物園へようこそより )





    昨年 6月9日より 始めました 「 のうのう 日記 」

    おかげさまで ブログ開設 1周年と なりました。


    友人との メール延長線と なにげに始めた ブログが

    一年も続いたことに 自分自身が 一番驚いています。

    皆様の 温かい 励ましにも似た コメントに  支えられ、

    画像の借用に 支えられ、 ここまで 参りました。

    改めて 感謝いたします と 共に  今後とも どうぞ

    よろしく お願い申し上げます。




  ” ド ク ダ ミ ”  ドクダミ科   ドクダミ属   東アジア原産

  「 毒矯(た)め 」 に 由来の名。 矯めは 改め、直すこと。

  毒消しや 食あたりに 使ったとされる。 十種の 薬効があり

  「 十 薬 」 の 名も ある。

  4枚の 白い 花びらに見えるは 苞。 その上に 淡黄色の

  繊細な小花が 穂状につく。

  一見は 一つの花に見える 集合花だ。

  葉は ハート形で 表が 暗い緑色、裏が 暗い赤色と 個性的。


     どくだみや    真昼の闇に   白十字

                           川端 茅舎

  梅雨は  静かな心を 取り戻す時。 秘めたる心を蘇らせる時。

  この季節に なると 小さいころ 虚弱体質で いつも 身体に

  腫れものが できていた私に、祖母が ”ドクダミ”の葉を あぶり

  化のうした患部に 当てて 治療してくれたことを  思い出す。

  人によっては 嫌われる 独特の匂いも、 私にとっては

  祖母の 愛情と 重なり、  懐かしく  いい香り。

  花ことばは [ 白い 追憶 ]


  ” ド ク ダ ミ ” は  生命力 旺盛でありながら 、神秘の力を

  持つ、  どこか 不思議な魅力の 薬草である。