
ねえねえ 聞いてちょうだいな。
あたいが 野原の真ん中で 大の字になって 寝ていても
みんな チラッと 横目で 見るだけだったんだ。
それが [ 野の花 ] ブームとやらで 町へ連れてこられてしまった。
きれいなおべべ 着せられて 、お澄まし顔さ。
「万葉集に 撫でたくなるほど可愛い花と 詠まれていましたよね。」
「そうそう、枕草子で 清少納言が 褒めていましたね。」
なあ~んてね。 笑っちゃうよ。
あたいが どのくらい お転婆で根性ものか、誰も知らないんだから。
それにもう こんな窮屈なところは ごめんだね。
あ~あ 早く 帰りたい。 仲間が首を長~くして待っているんだ。
モリモリ食べて ドンドン太って 可愛げがなくなったら、
お払い箱に してくれるかな?
それとも ドンドン痩せて みすぼらしくなるのが、 いいかな?
あんたが 見張り役してくれるなら、 いっそ逃げようか?
あたい 足には 自信あるんだ。
ねえねえ どうしたら いい?
写真は 「くじゅう連山に 咲く花」 かわらなでしこ




