2011年5月5日木曜日

烏野豌豆(からすのえんどう)

                    ( 写真は maechan より )


マメ科   ソラマメ属     オリエントから 地中海   原産

別名  ヤハズエンドウ (葉の先端が くぼみ、矢ハズ形になる)

茎の先から、巻きひげを出してクルクル巻き、 紅紫色の 蝶形の

可愛い 花を 咲かせる。

花後、 さやが熟すと 真っ黒になるところから ”カラスノエンドウ”

の 名と なる。


” カラスノエンドウ ” は、 美人三姉妹の  長女。 


三女は  “ スズメノエンドウ ”。

長女に比べると  茎も 葉も 共に細く、 華奢で、 花も 勿論、

小さく、 白っぽく、 地味である。

 

次女は ” カスマグサ ”。

烏の 「カ」 と 雀の 「ス」 の 間の 「マ」、と いうことで

” カスマグサ ”。   つまりは   中間型。

自分だけ エンドウの名が ついていないため、青紫の美しい花を

咲かせるも  姉妹に 強烈な ライバル心 あり。

あまり、 表に出ないが、 中々の  しっかり者である。


” スズメノエンドウ ” は、 上の二人を 見て 育ったせいか、

上手に 人生を 渡ることが でき、 かなりの  頭脳派である。

自分の身を守る方法として 体内に 抗菌や 抗酸化作用のある

物質を 含み、 病原菌や 害虫を  防ぐ。 


それに引き換え、” カラスノエンドウ ” は 長女としての 自意識

過剰で、 自分に 自信があり、 他を うまく 使うことを 考え、

抗菌物質のかわりに、甘い蜜を作りだした。しかも 花の中だけで

なく、葉の付け根からも 蜜を出しているのだ。 この蜜を 武器に

アリを ボディガードにと 利用したつもりが、 結果として アリの

手痛い 逆襲に 遭い、 アブラムシの 天下と なってしまった。


世の中、 なかなか うまく いかないものだ。

  ( 「残しておきたいふるさとの野草」 稲垣栄洋 著 参照 )



だが、 カラスノエンドウは  どうやら 花が 咲く 前に すでに

受粉(つぼみ受粉)しているそうで、 これには 参った、参った。



*  この記事は ひとえさんの 「 おもひぐさ 」 2011.04.21より

    ヒントを 得ました。 スズメノエンドウ カスマグサ の画像も

    お楽しみください。














18 件のコメント:

  1. カラスノエンドウを、カラスが食べるえんどう豆だから「ノ」は所有格だとずっと思っていました。ところが野豌豆と書くのを知ったのはごく最近のことなんです。カラスとスズメの間でカスマ、なるほどね。

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  2. 長女も次女もステキな花を咲かせているのに、ちょっと地味目の雀のえんどう。でも私は雀のえんどうファン。(まだお目にかかったことはないのですが)
    だって私は三女だから当然でしょう(笑)
    生まれて一度も華奢といわれたことはないけれど、心は純粋に?要領よく生きる予定だったのに・・・。

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  3. 綺麗なピンクの花を咲かせているのに何故カラスなの?・・・意味が漸く分かりました。画像も素敵な三つの花。たかようじさん自身の自己紹介かなって興味深く読ませて貰いました。

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  4. 豌豆さんの3姉妹 浅井さんの3姉妹と似ていますね。
    豌豆さんの次女だけエンドウがつかない。浅井さんの
    次女だけ天下人の妻になれなかったし、長女の人生も
    似てい増すね(笑)

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  5. 中年女性から一転して幼い女の子のようにかわいらしいカラ
    スノエンドウですね。

    美人三姉妹:長女は“カラスノエンドウ”
          次女は“カスマグサ”
          三女は“スズメノエンドウ”
    解説は小説のように楽しき拝読させていただきました。

    文章から本当に<たかようじ>さんの楽しそうな様子が伺え
    ます。

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  6. 長さん
    >カスマ、なるほどね。・ 
    長さんは 私より4才お兄さんですが、 大人ですね。
    私など、なぜ ”○ ○ エンドウ”と 名付けなかったか
    不思議に思います。 では○ ○ は 何?と 聞かれても
    答えることは できません。
    ”カスマグサ”の 名付け親、賢い人だったのですね。

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  7. 柿八年さん
    三女の ”スズメノエンドウ”さんですか。
    ああ、よかった。
    「 頭 脳 派 」 つまり 頭脳明晰! と ちゃんと
    褒めておりましたから。 (笑)

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  8. 信徳さん
    ピンポ~ン。 ご明察!
    私 たかようじは △△家の 美人(?)三姉妹の 
    長女でございます。
    △△家の 三人は それぞれ、 自分が 一番!と
    思って おります。
    記事を 読み返すと、我ながら 自画自賛に ただ
    あきれております。   
    >長女としての 自意識過剰・・ は、 真実で
    ございます。  (笑) 

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  9. ぶらり爺さん
    おっしゃるように  浅井家の 三人の 姫君は
    いずれも 数奇な運命に  翻弄されましたね。
    その点、 ”カラスノエンドウ ” 三姉妹は 
    それぞれ、自分の人生を 謳歌しているようで、
    よう ございました。

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  10. H.Kmrさん
    「のうのう日記」そのものが、きちんとした 道筋のない ブログです。
    その時、その時、 出会った  美しい花、 可憐な花、 面白い花に  惑わされながら、 書かされていると 
    感じます。 (笑)
    でも これは、 本当に 楽しい、 充実した 時間
    なのですよ。 

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  11. たかようじさんの物語を拝読し、わたくしは次女のカスマグサを応援したいです。
     ”あまり表にでないが中々のしっかり者”
    これは私の性格に由来するのかもしれません。

    三姉妹それぞれ戦略を企て自己の子孫繁栄のため戦ているのですね。

    植物のブログを書き始めて、その戦略のかずかずがなかなか面白いですよね。

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  12. shuuterさん
    shuuterさんは 次女の ”カスマグサ”の 応援団
    ですか。
    カラスノエンドウ 三姉妹、いずれも 個性豊かで
    楽しいですね。
    >戦略のかずかずがなかなか面白いですよね・ 
    同感です! 花自身の 美しさも さることながら、
    生きる知恵が 一杯の 植物に、 魅了されます。

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  13. それぞれの植物の特徴をとらえた上での三姉妹物語、楽しく拝見しました。
    わたしは甘えん坊の三女、スズメノエンドウ的生き方はとてもとても・・。知的にきりっと生きてみたいものです(笑)。

    もともとたかようじさんが想を練っておられたお話なのに、わたしのブログをご紹介頂き、ありがとうございます。

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  14. 44番教室2011年5月6日 23:09

     子供の頃「ピーピー豆」と呼んで、笛にして鳴らして遊びました。カラスノエンドウの、丸く膨らんださやを選び、種をしごき、両端を少しちぎって、口にくわえて吹くと、よく鳴りました。
     近年、新芽は食用になると知り、一度「バター炒め」にしてみようと思いつつ、ミドリアブラムシに恐れをなして、まだ試していません。
    「カスマ草」の事も、アブラムシが付く理由も、今日初めて知りました。

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  15. ひとえさん
    スズメノエンドウは 体力温存しながら、自分の知恵で 
    自分の身を守るという 何とも 賢い、格好いい
    植物です。
    まさに >知的にきりりの・生き方と言えますね。

    ひとえさんのブログへ リンクさせて頂き、お陰で
    皆さまも 三人姉妹の 比較が 画像からも 伺え、
    楽しかったことと 思います。
    ありがとうございました。

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  16. 44番教室さん
    アブラムシに 軍配が 上がった理由を 詳しく述べます。
    「 アブラムシは 針のような ストロー状の口を
    カラスノエンドウの茎に 突き刺し、栄養分を吸いだし、
    余った糖分をお尻から ”甘露”として 排出する。
    アリは このアブラムシの”甘露”が 大好物なので
    カラスノエンドウは 見捨てられた。アリはアブラムシの
    ボディガードを 買って出て、テントウムシなどの 
    アブラムシの 天敵を 追い払うのだ。」 とのこと。
    力関係ではなく、ちゃんとした 得になる 理由が 
    そこには あるのです。(笑)

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  17. とても勉強になりましたよ。
    この野草は、繁殖力が極端に旺盛で、見てる間に空き地一面に広がり、やがてアブラムシがびっしりとくっつきますね。
    道理で、虫たちが大層多くやってくるわけが理解できました。

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  18. saganosanyosoさん
    巻きひげでクルリと いかにも頼りなげにしている
    カラスノエンドウ三姉妹も 見かけは 可憐ながら
    なかなかの したたか者。
    園芸種の花と違って 野の花は 単純そうでいて
    複雑 怪奇。
    自分の知恵に すべてが かかっているのですもの。
    面白いですね。 

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