2011年5月24日火曜日

花筏(はないかだ)



              ( 写真は 季節の花 300 より 

  桜の花が散り、水面に 帯状に 漂い流れる 様を 花筏 と

  称す。

  とある 春の夕暮れ、 桜が 降りしきる  京都 哲学の道。

  疏水の 川幅いっぱいに 悠然と 流れゆく  桜、 桜 、桜

  最後のきらめきを 見せながらの  優美で 静かな 行進。

  唖然として  時の過ぎるのも 忘れて 見入った。

  この夢のような 光景に 再び まみえることは ないだろう。




  ” 花 筏 ”     ミズキ科   ハナイカダ属

  その名の由来は  葉を 筏に 見立て、 筏の上に 乗った

  花 と いう 意。

  ”ハナイカダ ” なる 木が あると 聞き、  興味津津。

  風雅な ネーミング。  はたして いかなるものや? 

  日々  恋心は  募りながら、  逢えたのは つい先日。

  なんとまあ、 めったに お目にかかれぬ  変わり者 と

  お見受けする。  よくいえば  実に  個性的なのだ。 

  山アジサイに似た 美しい緑の葉の 真ん中に、 淡緑色の

  小さな 花が  チョコンと  鎮座ましましている 花姿。

  可愛くって、 おかしくって、  たまらない。 

  まるで  一寸法師の 世界なのだもの。( お椀を 舟に

  お箸を  櫂にして ・ ・ ・ )


  この 小さな  若緑の  舟の   ” 花 筏 ”

  流れ  流れて   どこまで  行くのやら




     花 筏    みどりの風に    煽(あふ)らるる

                      鈴木  房枝






  

18 件のコメント:

  1. 葉っぱにイボがついたようで・・・イボコロリをつけてあげようかな!なんて気をもんだらたかようじさんに叱られる。折角気持ち良く哲学の道、疎水に浮かべて流してあげたのにイボコロリだなんてロマンチックぶち壊しの信徳ジジイめ!

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  2. 信徳さん
    そうですよ。 失礼しちゃうわ。
    柄にもなく、ロマンチック・ムードに 酔いしれて
    いたのに、素の自分に 立ち戻ったでは ありませんか。
    >葉っぱにイボがついたようで・・・ああ、的を得てると
    妙に 納得する 自分が、 悲しいです。(笑)

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  3. 時として自然は、不思議な造形を創るものですね。
    花が咲いた後に丸~い実が葉の上に残り、その姿がとてもユーモラスだった初見の頃を思い出しました。
    そして、桜の時期に”花筏”を探して彼方此方彷徨い、結局いい場面に巡り合えなかった事、またまた思い出しました。

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  4. 44番教室2011年5月24日 19:09

     「花筏」と聞いても、和菓子しか思い浮かばず、じっくり見たのは、今日の写真が初めてです。
     本当に一寸法師みたい! このちっちゃな花が、青い実になるそうですね。

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  5. 花筏なんて、昔の人はうまいこと名前をつけますね。
    最初に見たのは昭和記念公園だったと記憶していますが、葉の中央に花が咲くなんて、何かの間違いじゃないかと思ったくらいです。
    長さんからです。何回やっても匿名さんになっちゃいます。

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  6. 花筏、会いたい花です!!
    調べてみたら、別名 嫁の涙・ママッコ・ママコナとありました。嫁の涙は民話から。ママッコ・ママコナは飯子・飯子菜と書き、菜飯として 葉が食べられていたそうです。
    あの葉っぱの真ん中にできる黒い実も 甘みがあって食べれるそうですよ。
    珍しい木だそうですが、一本、自家用にあってもいいかも(笑)

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  7. saganosanyasoさん
    >花が咲いた後に丸~い実が葉の上に・ という
    話を 伺い、 ぜひとも 面白いであろう 黒い実と
    出会いたいと  念じています。
    自然界の ただならぬ 美しさに  出会うのは
    至難の業だと 思いませんか?
    追い求めて 出会えるのではなく、引き寄せられる
    ように 出会うのだと、 最近 思うように
    なりました。  いつか、 素晴らしい 桜の 
    ”花筏” に 逢えると いいですね。
     

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  8. 44番教室さん
    和菓子の “ 花 筏 ”
    桜の花びらが筏のように川面に流れ行く様を 表現
    したものですね。
    求肥かしら? 練りきりかしら?
    どちらにしろ 薄紅色の 優雅な お菓子でしょうね。
    木の ”ハナイカダ” 多分、8割の方が ご存知
    ないので、 お菓子には 無理でしょう。(笑)

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  9. 長さん
    葉の中央に花が咲く 異形は、 花枝と中央葉脈との
    合着による(難しい表現)そうですよ。
    それにしても 世にも珍しき 花姿ですね。
    ご迷惑おかけしました。匿名ではなく ちゃんと長さんに
    なっています。今まで 長さんは 一度も スパムの
    害にも合わず、特別と思っていました。(笑)
    一週間前 このブログの 調整があり、またまた 
    変な事になりました。 
    私も 一度 打ち込めば ダッシュボードに 行きつき、
    コメント返信 スムーズだったのに、今は 1コメント
    ごとに 「名前」「USL」を 入れないと 匿名に
    なります。 グーグルのブログですから、優秀な方々が
    調整なさるのでしょうが、 困ったものです。
    お許しくださいませ。

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  10. 柿八年さん
    飯っ子というくらい、 若葉は 食用だったようですね。
    実も 美味しいとか(?)。
    又 内部の白髄を突き出し、灯心にすると「花おりおり」
    に ありました。 
    一石二鳥、いや 三鳥の 面白い、個性的な 木ですね。
    私も 庭に一本、 欲しくなりました。(笑)

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  11. こんばんは 残念ながら花筏をまだ見たことないのです。
    創造力が乏しいのでいけません。

    でも写真を見ると葉の真中に花があるのですね、これ誰かが載せたのじゃないですかと言いたくなりますね。

    自然が作るものは面白いものがありますね。

    話が飛びますが、植物観察会の先生が言っていました。
     ”花の中に葉ができることがある”と実際に見られたそうです。これは突然変異だそうです。

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  12. 何と珍しい木であること。今まで見たこともない、こんなに珍しい花をつける木があるのですね。是非、見たい心境です。
    人が花になって筏に乗っているような姿は見ているだけで面白く・楽しく思います。
    採用・紹介された<たかようじ>さんは、さぞご満足の心境では?、私ならそうですから。
    今後、植物園をまわった折、注意しておきます。

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  13. 誰が付けたか風流な名 またの名「嫁の涙」
    種の継承が分からず涙を流しているのでしょうか。
    葉を煮るとまあ~ 食欲をそそる松茸の香りがするとか
    謎の深い 珍しい花「花筏」ですね、  

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  14. shuuterさん
    昨年 6月に ブログを始めてから ”野の花”の
    世界の ??? に 惹きこまれています。
    ”花 筏 ”も その一つ。
    雌雄異株で 雌花は 葉っぱの筏、 普通は 一つ。
    雄花は  数個が 相乗りだそうです。
    面白いですね。(笑)
    ぜひ 出会ってください。 

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  15. H.Kmrさん
    ごくごく ありふれた木に、ひっそりと 咲いています。
    私も 出会いたいと望みながら やっとの 出逢い。
    H.Kmrさんにも 会って欲しいです。
    ”袖 すりあうも 他生の縁 ”と 申します。
    ブログで 出会えた 皆様が、面白がったり 喜んだり
    してくれると ”やったー” と 素直に 嬉しいです。
    又、色々と 私の知らない事を ご教授 下さることで
    その花、木、が より 愛しいものに なります。

     

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  16. ぶらり爺さん
    >誰が 名付けたか 風流な 名・ その通り、
    素敵な 名付け親 ですね。拍手!(パチパチ、パチ)
    「嫁の涙」の ぶらり爺さんの解釈、異論があり、(笑)
    調べました。 奈良県の 民話に「昔、姑が 意地悪で
    その 仕打ちのひどさに 耐えかねて 嫁が 一人で 
    山へ行き、泣いたら 涙が落ちて その葉に ついて
    しまった 」とか・・・。
    こちらの方が 清らかな ”花筏”の 花に 相応しい
    気がするのですが、 いかがでしょうか?

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  17. あらまあ、花筏!
    帰省した四国では今が花盛り←あまり似合う表現
    とも思いませんが(笑)、いっぱい咲いていました。
    よく見ると葉っぱの上に花がちょこんと鎮座して、
    白いしべのみが身を飾るアクセサリー、
    保護色の花が大好きなわたしは見るたび、嬉しく
    なります。

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  18. ひとえさん
    お帰りなさい。
    そう、 ひとえさん好みの 花なのです。
    一見 地味ですが、 見れば見るほど
    可愛くて 惚れ惚れします。
    お里では 満開(?)でしたか。
    どうも 表現が 難しい花ですね。(笑)

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