2010年10月15日金曜日

藤袴(ふじばかま)


   ” 藤 袴 ”   秋の七草の 一種として 高らかに 詠った後は

   この 地味な花を  忘れていた。

   あの [ 旅する蝶 ]  アサギマダラ が 好むと 知るまでは。


   ” 藤 袴 ”   キク科  ヒヨドリバナ属

   淡紅紫色の 筒状の花弁が 袴に 似ていたことが 、名の由来。

   秋の七草のうち  唯一の  帰化植物だ。

   もともとは 中国生まれで 奈良時代に 渡来し 野生化したらしい。

   葉が 香ることから ” 蘭 草 ” の 異称あり。

   花に 香りなく, 草を 乾燥させると、清々しい ラベンダーにも似た

   芳香を 放つ。 昔から 香り袋や 入浴剤として 愛用されたようだ。

   さしずめ 今の ポプリだろう。


   初秋になると 人の丈ほど スルスルと伸び、淡い 藤色の小さな

   花が集まった 頭上花を咲かせる。 

   アサギマダラ が 好む 密には 毒性の強い アルカロイドが 

   含まれている。 蝶は これを 取り込むことで 毒化し、 敵から

   身を守ると される。

   自然界の 営みは、 人の想像を はるかに超越した  叡知に

   満ちている。


   アサギマダラ  は  誰もが 一目で  魅了される 美しい

   浅黄(あさぎ)色の 翅を 広げ、 羽ばたくことなく、フワリ フワリと

   楽しげに  浮遊する。  まさに  [ 動く 宝石 ] 

   時には 1500㎞もの 長距離飛行をする 能力は 溜息混じりの 

   感動を  われわれに 与える。


   アサギマダラ は  [ 優雅な 旅する 蝶 ]  なのだ! 


   ” 藤 袴 ” は  優しく  品よく  淡い藤色の花を  そよそよと

   揺らしながら  秋の野に  佇んでいる。

   アサギマダラ の 訪れを 一刻千秋の 想いで 待ちながら・・・・・・・


   ( 写真は  信徳さん 「想いのままに・・・」より  2010.09.25 )

     青色藤袴    http://51608230.at.webry.info/

    


16 件のコメント:

  1. 相変わらずの心地よい流れの文脈に感じ入っております。
    藤袴の野生種は環境の変化で今では環境省の絶滅危惧種に指定されているくらいですね。紫式部が愛していた平安の御代ではいっぱい咲き誇っていたのでしょう。
    京都では源氏物語千年紀を機に2008年「守ろう、藤袴プロゼクト」を立ち上げ、この三年間で7000株の原種を育てることが出来て、今、市内の小学校の花壇に根をおろし、子ども達が育成に取り組んでいます。こんな素敵な植物は何時までも大事にしたいものですね。
    我が家の藤袴もようやく蕾が脹らみ始めたところです。アサキマダラの飛来が、確かに待ち遠しいですね。

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  2. フジバカマとアサギマダラの関係よく分かりました。
    アサギマダラは台湾から日本へ渡って来た記録もあるそうですね。
    フジバカマは私も取り上げましたが 絶滅危惧種とされるものではないとの指摘を受け 戸惑っています。
    自生する純粋なフジバカマを見てみたいと思います。
    今日池田の五台山でヒヨドリバナにアサギマダラ(?)らしいのが止まっているのを見ました。
    付近には昆虫網を携えた人たち数人居ました。
    私も昆虫を少しかじってみようと思います。

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  3. こんにちは。
    藤袴に青色藤袴なるものがあるのを始めて知りました。
    南アフリカ原産なのですね。
    中国原産の秋の七草の藤袴とも花色が違うし、園芸種の藤袴とも違い面食らいました。
    青色藤袴は何時頃日本にやって来たのでしょう?
    今日始めて標識を付けたアサギマダラのいることを知り吃驚しました。

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  4. 庵主さま
    >京都の「守ろう、藤袴プロジェクト」の取り組みは
    素晴らしいですね。子供に 平安時代よりの 花々を
    育てさせる というのは 動植物に対する 愛情を
    育てる 情操教育 にも 繋がりますもの。
    京都が 率先なさるのが 嬉しいですね。
    庵主さまの お庭の 藤袴、 楽しみにしています。 

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  5. shuuterさん
    今日 白野江植物園に アサギマダラの飛来を
    確認したところ、 まだ 3頭のみ。
    現在は 京阪神に 滞在中(?)とのことです。
    ヒヨドリバナも 好みらしいので そうだった
    可能性 高いですね。
    前 何かの本に ”藤袴”の 自生の花は 淡く
    白に近い グレーピンク。 偽物は グレーピンク
    (灰桃色)とありましたが、 全く お手上げです。 

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  6. kako狸さん
    ”青色藤袴 ”は 信徳さんの ブログで  初めて
    拝見しました。美しいので、皆に 教えてあげたいと
    思ったので 掲載させて頂きました。
    ネットで調べても  流通名 ”青色フジバカマ ” 
    別名 ”洋種フジバカマ ”  原産 南北アメリカ、
    ユーラシア 大陸、くらいしか 解りません。
    色々あるのでしょうが 難しいです。
    アサギマダラの 標識の 事は 驚きでした。
    「ウィキペディア」によると 捕獲場所・ 年月日・
    連絡先・を マジックインキで記入(マーキング)して
    放蝶 という方法で、何日で、 何㎞、 移動したか
    解るそうですね。 これも大変な ことですね。

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  7. 今晩は! アオイロフジバカマ取り上げて頂き感謝です。アオイロフジバカマも喜んでいる事でしょう。今日久し振りに庭の花を撮ったのですがフジバカマも咲きだしたしアオイロフジバカマは未だ咲いているのです。この花は花期が長いのに驚いています。庭にはアサギマダラは飛んできませんがミカンの木があるのでアゲハの類が沢山いますしイチモンジセセリもヒョウモンチョウも来ています。すっかり秋になりました。

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  8. 信徳さん
    こちらこそ ありがとうございます。
    厚かましいお願いは まだ 続くことでしょう。
    今後ともよろしく お願いいたします。
    私、昔 昆虫採集 少女でしたの。
    アゲハ、イチモンジセセリ、ヒョウモンチョウ・・
    と聞くと 嬉しくなります 。
    あの当時 一番の お気に入りは、青緑の 帯が 
    魅力的な ”アオスジアゲハ(青条揚羽)”でした。
    >フジバカマも咲き出し、アオイロフジバカマも
    まだ 咲いて ・・ とは 情趣ある お庭ですね。

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  9. はあい、アサギマダラただいま京阪神にご滞在で~す♪
    週末の二日間違う山を歩いたのですが、そのどちらでも姿を見せてくれました。
    蜜を吸っている時はもう夢中でいいモデルになってくれます。
    ふ~わふ~わと夢見るような飛翔がいいですね。

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  10. ひとえさん
    > 京阪神にご滞在で~す
    アサギマダラさんへ
    きっと 宿の雰囲気良く おもてなしに満足して
    なかなか腰を上げないのでしょうね。
    九州最北端の 門司の植物園を 黙って 通過
    だけはなさらないように、お願い致します。
    心より お待ち申しあげて おります。
    >夢見るような 飛翔 ・ 楽しみです。

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  11. フジバカマとアサギマダラに会ってきました。
    カメラマンのシャッターの音も、どこ吹く風
    本当にふわふわ 優雅な舞です。
    それにしても(頭)と数えるとは・・・又ひとつ
    学習しました。

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  12. ”藤袴”の蜜を好む「旅する蝶」”アサギマダラ”は、
    逞しい力を持っているようですね。
    どうりで、羽は新鮮組の羽織模様と同とか、凄いなあ~

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  13. sumisumiさん
    えっ、もう逢ったのですか?
    >ふわふわ 優雅な舞・ ですか。
    シャッター音にも驚かないほど、肝っ玉が大きいのか、
    それとも どこでも 大歓迎で 馴れたのかしら?
    私も 急いで 行かなくては なりません。
    蝶は 正式には 一頭、二頭という 数え方。
    これは 英語の直訳 からだそうですよ。
    英語では 蝶々のことを ”ヘッド(頭)”と数える
    からですって。一般的には 匹 でOKだそうですが、
    ”頭 ”って カッコいいと 思いませんか。

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  14. ぶらり爺さん
    >新撰組の羽織・・ 急いで ネットで調べました。
    羽織は 浅葱色。 薄いねぎの葉の色 つまり
    緑がかった 青色だそうです。
    アサギマダラは 翅の 白っぽい部分の色から ”浅葱”と
    称されたとのこと。
    又、浅葱色は 死に向かう覚悟で 戦いに臨むという
    潔い 色でも あります。
    ”アサギマダラ ” ますます  素敵です。 

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  15. 初めまして!!
    ”saganosanyaso”と申します。
    私目のBlogにコメントを頂戴し、有難う御座います。
    また、リンクの件につきましても、私にとって大変嬉しい事であり、どうぞご自由にリンク張って下さい。

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  16. saganosanyasoさん
    突然の ご訪問で 驚いております。
    ”続 藤袴 ”で リンクさせて 戴いてから
    ご報告をと 思っていました。
    saganosanyasoさんから 先に コメントまで
    頂戴し、感謝 申し上げます。
    まだ 4か月の 新米ほやほやの ブログですが
    今後とも よろしく お願い致します。

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