2010年10月5日火曜日

稲穂


                     ( 写真は maechan  提供 )  

   赤い稲穂が そよそよと 揺れる。 これは 秋を告げる  風物詩。

   「 赤米 」    遠く  弥生の時代に  大陸からの 伝来で 

   祭祀の 際の  お供え物 だったとか。

   この美しい 赤い稲穂が  秋の 爽やかな風に はためくさまを

   初めて見た時、 言葉にならない もどかしさで 胸の奥が ざわついた。


   40年前、 門司より  山陰本線 寝台特急での  のんびり旅。

   早朝 目が覚め  窓の外を見やると、 あたり一面 黄金に輝く稲穂。

   神話の里  出雲平野が  朝日に照らされ、 荘厳な 光景。

   「 大国主命 」 が 、稲穂の間から  ヒョッコリ  顔を出しても

   何の 違和感もない  不思議な空間。  時間が 止まってしまった。


   そして  南紀 紀和町の  丸山千枚田。

   一望千枚は  名実ともに  日本一の 棚田。

   小さな田が  幾重にも重なり、 1300枚くらいは あるという。

   夕陽に輝く 稲穂の  あまりの素晴らしさに  唖然とする。

   言い知れぬ 感動が  胸の奥から 突き上げてくる。

   青緑色、 黄金色、 黄土色 ・・・・・まるで パッチワークの じゅうたん。

   一枚 一枚 、 色と 形は 違っても 、  整然とした 美しさ。


   さわさわさわ  と   実りの秋が  やってくる。

   

14 件のコメント:

  1. 紫紺野牡丹の記事 色を変えていただいたもの再度読ませていただきました。

    赤米の稲穂を見られたのですか。写真拡大して見ましたが綺麗な色ですね。
    紀和町の丸山千枚田は写真家が撮ってみたい棚田ですね。
    私の弟は各地の棚田を廻って写真を撮っています。

    立派な棚田程 維持してゆくには大変な労力が必要となることも
    忘れてはいけないことですね。

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  2. shuuterさん
    早速の お運び、ありがとうございます。
    「紫紺野牡丹」の 再読、感謝いたします。
    棚田の魅力は 日本人の 郷愁 そのものだと
    感じます。特に 秋の夕暮れは 切ないほど
    心の奥底に 響きます。
    このような素晴らしい棚田の 維持管理に
    積極的に 協力しなければと 思いながらも
    まだ 何もしていない 自分が います。

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  3. 赤米はめでたい時のお米でしょうか?こちらでは余り見られません。今年は豊作のようですが暑い日照りの為品質は良くないと農家の人が言っていました。等級が下がって安くなるそうです。

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  4. 信徳さん
    赤米(あかまい) は 古代米の 一種です。
    今、若い女性を中心に  健康ブームで
    雑穀米が  持て囃されています。
    五穀米、七穀米、はては 十六穀米と 様々。
    赤米だけでは もぞもぞとして 美味しいなんて
    口が 裂けても言えません。
    雑穀の 一種類として 使用されています。

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  5. 以前、我が家の食卓にも雑穀米が並びましたが、玄米と圧力釜を買ってからは、もっぱら小豆を炊き込んだ赤い玄米を食べています。

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  6. 長さん
    圧力釜で炊く 小豆入りの 玄米ご飯、美味しい
    ことでしょう。なにより、 身体に いいですね。
    しっかり噛んで 食べますもの。
    うちは 色々試しましたが、不評で 止めました。
    この時期は 友達から頂戴する ”新米 ”の
    ホクホクご飯を 相好崩して 戴いています。
    食欲の秋、 ウエストを 少々 気にしながら。

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  7. 赤い稲穂に棚田の稲穂、どちらも古からの風景。
    会うことがありませんので検索して、色々な景色
    見ました。いいですね。勿論「丸山千枚田」も
    見ました。「大国主命」で出雲大社の「因幡の
    白兎」懐かしく思い出しました。

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  8. ぶらり爺さん
    北海道の 広大な大地には 棚田は 全く不要。
    赤米も あまり ご縁が ないのでしょうね。
    大国主命の 「 因幡の 白兎 」のお話。
    言われて 思い出しました。
    古事記の世界も たまには いいですね。
    40年前と今とでは 出雲大社自体は あまり
    変化がなく、荘厳な趣ですが、取り巻く環境が
    様変わりしてしまいました。
     

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  9. 赤い稲穂・・不思議な光景ですね。
    弥生の時代には黄金色の実りも赤い実りもあったのでしょうか・・。
    お米を食べる民族の遺伝子のせいか、稲穂を垂れる光景を見るととても安らぎを覚えます。
    夕陽を浴びて、棚田一面に稲穂が揺れる光景はさぞかし神々しいのでしょうね。

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  10. ひとえさん
    調べてみたら、石器時代に すでに野生のイネの種を
    まいて収穫、 縄文時代に 今の米が中国などから渡来。
    弥生時代には 美しい農村風景が 見られたそうです。
    万葉集には 稲葉、稲刈りの 歌が あります。
    > 遺伝子のせいか 稲穂を垂れる光景・ ・
    そう、今年も大丈夫だったとの 安心感がありますね。
    棚田の光景は 今も 私を魅了し続けます。

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  11. こんにちは。
    人ごとながら、それぞれの稲田の思い出が、手に取るように甦ってきます。こんな風景は世界中捜し歩いても、この日本の秋でしか見ることの出来ない景色ですね。
    日本の秋は最高です。

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  12. 庵主さま
    移ろいゆく 季節の 中でも 秋に 特別
    魅かれます。
    黄金色に輝く 稲穂、たわわに実る 柿、
    そして 華やかな 紅葉・・・・・・と
    誰でも 詩人になれる そんな気さえします。
    > 日本の秋は 最高です。
    勿論、 日本の秋は 世界一ですもの。

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  13. おはようございます。
    見事な赤米ですね。
    うるち米の様に頭を垂れる事はないのでしょうか?
    始めて見せて頂きます。
    千枚田も日本の原風景として残しておきたいものですね。
    先日、亭主の実家に帰省した折に大山千枚田に寄ってみましたが、遅かりし稲刈りが終った後でした。

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  14. kako狸さん
    ご主人は 千葉のご出身ですか。
    稲刈り終了後の 棚田は 少々寂しいムードですね。
    大山千枚田は 雨水のみで 稲作を行うという
    珍しい天水田だそうですよ。
    赤米の写真、 これはまだ 若々しい時分のものです。
    実が しっかり入ると 稲穂は 垂れてきます。

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