2010年10月10日日曜日

紫苑(しおん)


                  ( 写真は  庵主さま  2007.10.07 )

    薄紫の  楚々たる  しかも  可憐なる  花。

    平安時代には この花由来の ” 紫苑色 ” が 生まれた。

    紫は 高貴な色とされ、 大宮人は 外出着として 好み、

    女官たちは 競って  秋の装いに 用いたとか。


    紫苑の一群れは 女官たちの さざめきにも似た 華やかな 世界。

    やがて 笛の音に 合わせ、鼓が 打たれる・ ・ ・雅な 管弦の宴。


    だが 私の耳には、 「 慈しみ深き 友なる イエスは ~ ~ 」 と

    讃美歌 312番の 旋律が 流れてくる。

    その昔、重苦しい 高校時代から 一転、自由闊達な ミッション系の

    短大に 進学。  あまりの 違いに 戸惑いながらも 

    シオン山教会( シオンとは エルサレムの市街の丘の名。 転じて

    キリスト教の 聖地 ) で、礼拝し、聖書、讃美歌・・・・・と 異文化に 

    触れ、宝塚では ないけれど [ 清く、正しく、美しく ] を モットーの

    校風に  のびのびと 楽しい 青春時代を  送った。

    人生における 大事な友との 出会いもあった。

    前途に 多難あり とは 露思わず、 光輝く道が 用意されていると

    信じ、 幸せいっぱい、  夢いっぱい の  二年間。


    ” 紫苑 ” は  私の 青春   そのもの。



    ( 紫苑に 関して 詳しくは 庵主さま 青谷だより 2010・10・08 ) 

         思い草  http://kittyom.at.webry.info   へ どうぞ

   




2010年10月5日火曜日

稲穂


                     ( 写真は maechan  提供 )  

   赤い稲穂が そよそよと 揺れる。 これは 秋を告げる  風物詩。

   「 赤米 」    遠く  弥生の時代に  大陸からの 伝来で 

   祭祀の 際の  お供え物 だったとか。

   この美しい 赤い稲穂が  秋の 爽やかな風に はためくさまを

   初めて見た時、 言葉にならない もどかしさで 胸の奥が ざわついた。


   40年前、 門司より  山陰本線 寝台特急での  のんびり旅。

   早朝 目が覚め  窓の外を見やると、 あたり一面 黄金に輝く稲穂。

   神話の里  出雲平野が  朝日に照らされ、 荘厳な 光景。

   「 大国主命 」 が 、稲穂の間から  ヒョッコリ  顔を出しても

   何の 違和感もない  不思議な空間。  時間が 止まってしまった。


   そして  南紀 紀和町の  丸山千枚田。

   一望千枚は  名実ともに  日本一の 棚田。

   小さな田が  幾重にも重なり、 1300枚くらいは あるという。

   夕陽に輝く 稲穂の  あまりの素晴らしさに  唖然とする。

   言い知れぬ 感動が  胸の奥から 突き上げてくる。

   青緑色、 黄金色、 黄土色 ・・・・・まるで パッチワークの じゅうたん。

   一枚 一枚 、 色と 形は 違っても 、  整然とした 美しさ。


   さわさわさわ  と   実りの秋が  やってくる。

   

2010年9月30日木曜日

紫紺野牡丹


   あでやかで 鮮やかな 五弁の 紫の花。

   誰をも 一目で 魅了する花  ” 紫紺野牡丹 ”

   紫紺・・・  まさに 日本の 伝統色の ひといろ。

   だが この花には、 和の色から にじみ出る 古風な趣が 感じられない。

   どちらかというと  ディープ・ロイヤル・パープル や パンジー  などの

   ビビッド・トーンの  あっけらかんとした 紫 だ。

   それもそのはず 原産地は ブラジル。

   ビロードのような 手触りの葉は、 産毛でおおわれ、 じつに 毛深い。

   紫の雄しべは 蜘蛛の脚のようで ”ブラジリアン・スパイダー・フラワー”の

   異名あり。

   ( 詳しくは 庵主さま 「 青谷だより 」 2010年9月26日の記事をどうぞ )

                    http://kittyom.at.webry.info/


   牡丹の花に 似ていないのに なぜ ” 野牡丹 ”と 名付けられたのだろう?


   [ 牡丹 ]  は  唐の時代より 中国では  [ 花の王 ]  と 称され、

   その華麗さで 他の花を圧倒し、 まさに 高根の花  である。

   それに ひきかえ ” 野牡丹 ” の なんと  愛らしく、  庶民的なことか。

   他の花のなかにあっては、目立って 派手で 人目を惹く。 が、 しかし

   仲間内では 陰影というか 濃淡少なく、 個性的美しさを 競うと いう

   点において やや 欠ける。 そのかわり 粒ぞろいの 美女軍団である。

   やや うつむき加減の しとやかな風情は 「私 何にも 知りませんの」

   と、純真無垢な 乙女の 色気を 感じさせる。

   だが、 皆が カメラを構えて 花の中を 覗きこもうとすると、その顔に似ず

   どすのきいた声で  「 あまり ジロジロ みるんじゃないよ 」 と、 一喝!

   の 強さも しっかり 持っているのだ。

   そのくせ、 これほど美しい花なのに 一日花 とは 惜しいと思う こちらの

   気持ちを 汲んでいるかのように、毎日 次々と 新しい花を 咲かせてくれる

   律義というか  優しさがある。

   花は 単純ながら 性格は 複雑。  ゆえに 余計に チャーミングだ。

   

   ” 紫紺野牡丹 ” と 名付けた方は 異国情緒 たっぷりでありながら

   日本的な美しさ、可憐さを 合わせ持つ この花を [ 日本の花 ] として

   末永く 愛してほしい との 願いを 込めたのだろう。

    

   

                  


   

2010年9月26日日曜日

杜鵑草(ほととぎす)




    秋風が ゆっくりと 吹いてきたら  、私の出番。


    ぷっくり、ぷっくり  つぼみを 広げて 花を咲かせるのよ。




    日本で 育った友は  ” ほととぎす ”  と言うの。


    花の 斑点が  鳥のホトトギスの 胸の斑と  似ているから。


    渋い色合いの 上品な趣が  [  侘び・寂びの世界 ]  に


    ピッタリで、 秋の茶花としても  一級品。


    だから あの子は 少々  気取り屋さん。




    イギリス生まれの  私の名は  ” ひき蛙 ”


    花の こぶが、 蛙の背に 似ているからですって。


    そう?  そう見える?


    イギリス人て  皮肉屋で、 ジョーク大好き。


    名付け親としては  ひとひねりした 名のほうが 面白いと


    思ったんだろうね。


    おかげで 私は  愛嬌があって  おしゃべりなの。




    あ~あ  私も 日本で 生まれたかったなあ。


    交換留学生の システム、 ないのかな。


       

    


    

2010年9月21日火曜日

曼珠沙華(まんじゅしゃげ)


   秋の彼岸、墓参り。あぜ道に 真っ赤な” 彼岸花 ”が 一列に並んでいる。

   この花を見ると あのジリジリと 背中を焦がす 残暑が ワンセットで

   思い出される。 そんな情景に ピッタリの 句。

           草川の  そよりともせぬ  曼珠沙華

                                 飯田 蛇笏


   ” 曼珠沙華 ”は [法華経] に現れる 天上四華のうちの 曼珠沙華(赤色) 

   摩訶曼珠沙華 (大赤花) に 由来する。

   曼陀羅華 (朝鮮朝顔) とともに 仏教信仰での  天上の花。

   韓国では  ” 相思草 (サンシチヨ) ”

   花が 咲くときは 葉がなく、  葉が生まれるときは 花はない。

   花は  葉を想い、  葉は 花を想う・・・・・・・の意。

                     (和歌森太郎著  「花と日本人」より 抜粋)


   ” 曼珠沙華 ”

   豪華 絢爛たる その姿。  独特の 造形美。  気位高き 高慢な花。

   その妖艶な 眼差しで こちらを一瞬見たか、と思うと すぐに 踵を返し

   天女の舞にも似た その美しい花姿を  天空めざし  突き上げる。

   この奔放な 振る舞いに 為すすべも無く、 ただ  見惚れるのみ。


   花ことば    「 情熱 」    羨ましい。

            「 想うは  あなた一人 」    ああ、怖い。


    ( 写真は くじゅう連山に咲く花 より )



   


                    

2010年9月17日金曜日

薄(すすき)


    秋は 夕陽が いいですね。

    山の端に 力なく沈む 陽を浴びて、かすかな 黄みを帯びた

    空気が 漂っている。

    斜光を受けて 稲穂が 金色に輝き、ススキが 銀色にそよぐ。

    水引草の 赤い実が 楚々として 可愛い。


    「 旅の 宿 」         作詞   岡本 おさみ

                      作曲   吉田 拓郎

          浴衣のきみは 尾花(すすき)の かんざし

          熱燗徳利の 首つかんで もういっぱい

          いかがなんて みょうに 色っぽいね~


    この曲を聴くと あたり一面 秋の気配が 立ちこめる。

    でも しだいに 落ち着かなくなる。

    「薄のかんざし?」   ススキは 堅くて 手で千切れない。

    縁も 鋭く、 肌を傷つける 恐れも あるぞ。

    第一 「熱燗徳利」  なら、もう初冬だろう。 その頃のススキは

    太くて 重い。 無理、 無理。 きっと カヤツリクサを 編んで 

    髪に 挿したんだ。単に語呂がいいので ススキにしたんだよ。

    待てよ、「浴衣」 ってことは 夏? いや どこかの 温泉宿か。

    などなど 野次馬根性 丸出しで、 折角の 爽やかな 秋の

    情景が ぶちこわし。

   

2010年9月15日水曜日

ブログ ご紹介

    当ブログに コメント投稿くださる 「 ひとえさん 」 を
    ご紹介します。

    繊細な 感覚と 優しく 鋭い 観察眼の
                素敵で 不思議な 世界です。
             どうぞ 体験なさって くださいませ。

      ひとえさん  < おもひぐさ >
            http://setunairo.at.webry.info/