2011年3月20日日曜日

菜の花


        菜の花畑に     入り日薄れ
        見わたす山の端   霞ふかし
        春風そよ吹く     空を見れば
        夕月かかりて    匂い淡し

  春の彼岸に  父は  37歳の若さで  逝ってしまった。
  病との 戦いを 終え、 静かな  穏やかな  旅立ちだった。
  野辺の送りの 情景は、この唱歌 「 朧月夜 」 そのままだった。
  その日から  ” 菜 の 花 ” は  ” 悲しみの 花 ” 


          「 風 景 」      (  銀色もざいく )

  ①  いちめんのなのはな     ②  いちめんのなのはな
      いちめんのなのはな         いちめんのなのはな
      いちめんのなのはな         いちめんのなのはな
      いちめんのなのはな         いちめんのなのはな
      いちめんのなのはな         いちめんのなのはな
      いちめんのなのはな         いちめんのなのはな
      いちめんのなのはな         いちめんのなのはな
      かすかなるむぎぶえ         ひばりのおしゃべり
      いちめんのなのはな         いちめんのなのはな

  山村暮鳥の この詩に 出会ったのは いつだっただろうか。
  朗読しているうちに 胸一杯に 黄色の菜の花が 押し寄せてきた。
  春の訪れの  喜びに 満ち溢れた 黄色の花の  洪水だ。
  それは 輝く 黄金色となり、  私を  満たした。

  今、  ” 菜 の 花 ” は  ” 喜びの 花 ” 

           ( 写真は  maechan  より )

  

14 件のコメント:

  1. 菜の花は私たちにとっては春の息吹きを感じる花ですが、たかようじさんにとっては悲しみの花だったのですね。
    父上に合掌。

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  2. 44番教室2011年3月20日 23:59

     私の父も祖母も、春の彼岸に逝きました。85と86で。
    神様! 37歳とは、あんまりです。
    でも、ひとつの詩に出会って"悲しみの花"を"喜びの花"に変えた、たかようじさんは素敵です。
     今は特に「菜の花」は希望の象徴だと思いたい!

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  3. お父さん若くしてお彼岸に亡くなられたのですか。
    ご冥福をお祈りいたします。

    菜の花が悲しみの花では似合いませんね、喜びの花になりよかったです。

    春の花には黄色の花がおおいです、ナノハナ ロウバイ マンサク サンシュユ ダンコウバイと続きます。
    中でも菜の花は春の代表格でしょう。
    暖かい春を呼び込む花です。まさに喜びの花です。

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  4. 長さん
    ありがとうございます。
    その当時 私は 11歳、 涙を流しながら
    ”朧月夜 ”を 口ずさんでいました。 
    長い間 心に秘めていた話を 3歳だった 末の妹に
    今回 初めて 話しました。
    彼女は この記事を読んで、「いちめんのなのはな」と
    詠いあげていました。 

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  5. 44番教室さん
    そう、 菜の花は 生命力溢れる 花ですね。
    花や葉は お浸しなどに、 花は 蜂蜜として
    実からは 菜種油、 どっこい 逞しいです。
    黄色の ”菜の花 ”は 希望の 花です!

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  6. おしよせる津波のよう広大な菜の花
    津波が春の花 黄色い菜の花だったらなあ~~
    お父さんは37歳の若さで・・山村暮鳥も40歳の若さで・・
    爺の父は34歳か~~

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  7. shuuterさん
    黄色の花が 大地を覆うと 春が 定まって参ります。
    春を彩る 黄色の 花の 多いことに 改めて 
    気付かされている 毎日です。 
     ”菜の花”が > 春を呼び込む花、喜びの花・
    昔、鹿児島 開門岳と その 麓に 広がる
    菜の花畑の 光景を 見た時、まさに その通りの
    気持ちになり、感動しました。

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  8. ぶらり爺さん
    同じような 境遇だったとは・・・。
    テレビでの 津波の シーンは あまりに 
    暴力的で 悲惨で  辛いです。
     >おしよせる津波のよう 広大な菜の花・ を 
    今、 思い 描きました。
    早春の陽光に照らされながら、黄金色の 菜の花畑
    が グングン 広がっていきます・・・
    ああ これで 又、 楽しい夢を 見ることが
    出来そうです。
    ありがとうございました。

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  9. 11歳でお父さんを亡くされ、お母さんと一緒にその後のご苦労は大変だったと思います。この度の震災でその頃の情景が鮮明に思い出されたのですね。

    私たち以上に被災者の方々の今後を心配されいると思います。

    菜の花が、哀しみの花から喜びの花に変わって 本当によかったです。

    春の菜の花、夏のひまわり、どちらも黄金色に大地を埋め尽くし、人を魅了します。そしてどちらの実も人間に恩恵をもたらします。この点からも菜の花が喜びの花になって良かったと思います。

    菜の花、ひまわり、どちらも一面に咲く情景を写真におさめたいと思いましたので計画したいと思います。

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  10. 山村暮鳥のこの詩、ほんとにいいですね。
    穏やかな春の情景の中、菜の花に抱かれて永遠の眠りにつかれたお父様・・今頃は安らかに眠っておられるのでしょうね。
    心が疲れた時、ああ、菜の花が見たいと切に思うことがあります。
    あの香り、あの優しい黄色いうねり・・。
    包まれるとほっとします。

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  11. H.Kmrさん
    菜の花の 花弁は 十字架のような 可愛い花。
    でも 花瓶に 飾っていると、 水を グングン
    吸いあげ、 ドンドン 伸びていきます。
    この 驚くべき 逞しさに 菜の花の 強さを
    思い知らされます。
    菜の花、ひまわりが 一面に 咲いている 写真
    期待しています。

    被災地の皆さまに 明日への希望を もたらす
    政策が、 速やかに 取り行われることを
    切望して 止みません。

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  12. ひとえさん
    声に出して詠むと 一段と 素敵な 詩です。
    自分が 鮮やかな 黄色の 菜の花畑の 真ん中で
    寝転んでいるような 気がします。
    その時、 自分は ”素 ”の自分に 戻ることが 
    できるのです。
    不思議ですね。

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  13. 今晩は!悪夢の日から早11日も経ち時の流れの早さを感じています。漸くブログを見る気持ちが出て来ました。菜の花に寄せるお父さんへの想い素敵なお父さんだったのでしょうね。

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  14. 信徳さん
    被災なさらなくて、 ホッとしました。
    6人家族で 賑やかな 毎日ですね。
    そうは言っても 群馬は 原発事故による 
    食への 拡散もあり、 大変ですね。
    無事 乗り越えられる事を 祈ります。

    そう、父は本当に ハンサムで、母の母(祖母)も
    32歳から 寡婦でしたので、一緒に 面倒を
    見ていた 優しい 素敵な人でした。
    母は 法事などの集まりで、必ず、父の自慢を
    します。「18歳で見合いをした時、美男子だった
    ので すぐに OKした。 結婚してみたら 
    優しくて、 頭がよくて ・ ・ ・ 」
    あまりに 早い死でしたので、良いところしか 
    見えなかったようです。  締めくくりは
    「 娘3人が だれも 似てなくて 残念!」(笑)

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