夏の終わり、阿蘇の草原に スクっとそびえ立つのは ”ヒゴタイ”
まるで 「 野の花 王国 」 の衛兵だ。
背は 100㎝と 小柄だが、ツンツン頭と ギザギザ葉っぱの
武器を 持つ。
名は 肥後の国に 多いことからとか、花の形が ハリネズミに
似ているとか、諸説あり。海の外では ”ブルーボール”とか。
とにかく 青い まんまる球が、 目立つ。
だれも トゲトゲ頭が 実は 瑠璃色の 小さな花の集合体なんて
思わない。 宝石のような 美しい花が 咲くなんて 想像外。
瑠璃色に輝く ”ヒゴタイ”は 驚くほど 素敵だ。
日当たりのいい草原で、高い、高い空に向って ピシッと
姿勢の良いのが、野生種だ。
風が 友達だけに 丈夫で、力強い。
悲しいかな、今や 絶滅危惧種に なってしまった。
園芸種の ” 瑠璃玉薊 ”。
色は 一段と冴えわたり、見事な美しさだが、ややひ弱な感じがする。
仕方ないか、町っ子の友達は ゲームだもの。
”ヒゴタイ” を見たり、想ったりすると、 自然に口ずさむ [ 手毬歌 ]
あんたがたどこさ 肥後さ 肥後どこさ 熊本さ
熊本どこさ 船場さ 船場山には 狸がおってさ
それを猟師が鉄砲で 撃ってさ 煮てさ 焼いてさ
食ってさ それを木の葉で ちょいと隠せ
その昔 女の子に人気のゴムまり遊びの歌だ。歌いながらまりをつく。
手でついて、足を使って、ゴムまりの弾みも 利用して、空中高く
打ち上げたりと、ざっと思い出しても 15種もの バリエーション。
教えてもらったものもあるだろうが、大半は 工夫して考え出したもの。
病弱な子供のくせに、遊びに関しては 徹底的に遊び尽くしたのだな
と、今更ながら 感心する。
写真は 「ゆふいん玉露米」