
( 植物園に ようこそ より )
ツユクサ科 ツユクサ属 原産地 日本など東アジア
茂り始めると 茎を 長くのばし、 茎の 節々から 根を出し、
どこまでも 伸びていく ” 露 草 ”
あまりの 繁殖力に 驚かされ、 引き抜きたくなるが、
あの 透明感のある 瑠璃色の花に であうと、 つい 放任。
青い花のなかでも 一際 めだつ、 造形の妙に あふれた
美しさに 心 奪われる。
つぼみは 二つ折りになった 網笠のような 苞葉の中に 数個
あり、 1個ずつ 順に 開く。 その様子が 帽子をかぶった
ように 見えることから、 別名 ” ボウシバナ ”
”ツキクサ” とは この花で布を青く刷り染めたことに由来する。
染めた色は 「 露草色 」。 淡いブルーの 「 はなだ色 」 もだ。
現在 友禅の下絵書きは 変種の大帽子花が 使われている。
露草の 花びらは 丸く、 大きく、 耳を ピンとたてており、
2本のシベが おいで、おいでと 手招きする。
残りのシベは 鮮やかな黄色の衣をまとい、この花の 魅力的な
アクセントと なっている。 「 この奥に 甘い蜜があるんだよ 」
と 虫たちを 誘っているかのようだ。
花は 早朝に開き、 午後には閉じる。
ツユクサの ユニークサは 午後にある。
花弁の中は ドロドロに溶け、 成分は吸収されて 次の花へ
回される。 リサイクルの 花である。
( 湯浅浩史 「花おりおり」 より )
外見の愛らしさと 本性のたくましさと これほど違う花も珍しい。
” 露 草 ” は 独立心の強い、 才気あふれた 花である。